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第7回目医療事故
医療事故ではないか?と思ったら
7. 弁護士に依頼した場合の手続の流れ
必ずこうなるというわけではありませんが、弁護士に医療事故の事件を依頼した場合、だいたいこのような流れで進みます。
1 相談
医療事故ではないか、医師の対応がおかしいなどと思ったことをきっかけとして、相談に来られるところから始まります。
相談の際には、既にその病院との関係が切れているかまだ継続しているのか、死亡事故なのかそうではないのか、相談に来られた際のタイミングなどを踏まえて、解剖や医療事故調査制度、カルテ開示や証拠保全などの手段をご説明することが通常です。
ごく稀に、ご本人が既に病院側からミスについて謝罪を受けているというケースもあります。そういう場合は、すぐに交渉のお手伝いに入ることもありますが、これはかなり例外的なケースです。
もちろん、常に病院の責任を追及できそうだと判断できるケースばかりではなく、証拠が得られないなど様々な理由により、ご相談の際に、病院の責任を問うのは難しいとお伝えしなければならないケースもあります。
2 証拠保全
病院の医療記録を証拠として確保するために、裁判所に申し立てて行う手続です。
証拠保全やカルテ開示については、別ページで詳しくご説明させていただいています。
なお、改ざんの可能性がそれほど高くないと考えられそうな場合や、ご相談される方が既に病院から医療記録の開示を受けている場合は、証拠保全を申し立てないこともあります。
また、証拠保全の方法ではなく、カルテ開示の方法により診療録を入手することを選んだ場合に、自分ではすべての記録をきちんと開示してもらえるかわからないということで、弁護士にカルテ開示を依頼されることがあります。
ここは弁護士によって判断が分かれるところだと思いますが、カルテ開示だけを引き受けて取り寄せしてくれる場合もあれば、あくまでも相手方病院との交渉や医療調査の一環として取り寄せを行うだけで、カルテ開示のみを目的とする依頼は引き受けていない、という弁護士もいると思います。
おおぞら事務所では、カルテ開示だけの依頼は引き受けておらず、交渉や医療調査を受任した際の一環としてお引き受けさせていただいておりますので、その点はご了承ください。
3 医療調査
病院の対応に医療水準に反するようなミスがあったかどうか、仮にそのようなミスがあったとしてどの程度の損害賠償を請求できるかといった点について、詳しく調査をして、報告させていただく仕事になります。
特に、病院のミスがあったかどうかについては、簡単に判断がつかないことが多いので、医学文献を詳しく調査したり、場合によっては第三者的意見を述べてくれる医師に費用を支払って面談して、見解を示してもらったりすることもあります。
なお、この手続は「調査して報告する」ことが目的ですから、病院のミスが指摘できるという報告になるとは限りません。また、損害との因果関係を認めることが難しいという報告になる可能性もあります。そのため、調査の結果、病院側の責任を追及するのは難しいという結論に至ることもあります。
ですから、この医療調査を行ったというだけでは、まだ病院のミスを追及できるとは断言できません。
4 交渉・調停・訴訟
病院の対応にミスがあった、もしくはミスがあった可能性が高いと判断でき、また、損害との因果関係が認められる可能性があると判断すれば、いよいよ病院側に損害賠償を請求することになります。
ここから先は、他の損害賠償請求事件とそれほど大きな違いはありません。
裁判前に直接話し合いを求め交渉することもありますし、裁判所での話し合いの手続である調停を申し立てることもあります。
もちろん、訴訟を提起することもあります。
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- 掲載日:
- 2022年10月27日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士