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第7回目医療事故
医療事故ではないか?と思ったら
3. 病院で想定外の事態に遭遇した場合に考えること
病院で想定外の事態に遭遇してしまった場合、どうしたらよいでしょうか。
患者さんご本人かそれともご家族か、また、遭遇した事態が死亡なのかそうでないのか、外来通院か入院中かなど、様々なケースが考えられますが、ここでは「患者が死亡した場合」と「そうでない場合」の2つに大きく分けてご説明したいと思います。
1 患者が死亡した場合
患者が死亡した場合に、医療事故を疑うような気持ちがあったときは、まずとにかく「解剖」を考えてください。
残された家族としては、解剖に対しては、抵抗感があることが多いと思います。実際、死亡の際に医療事故を疑ったとしても、解剖まで求めたという相談者の方は非常に少ないです。
しかし、解剖によって死亡後の状況を明らかにしておかなければ、後に証拠として不十分ということになり、証拠不足が理由で、医療事故かどうかを追及することが困難になってしまうということがあります。
ですから、辛い選択だと思いますが、医療事故を疑うような気持ちがあったときは、解剖を考えてみてほしいところです。
なお、「解剖」といっても、刑事事件が疑われる場合に行われる司法解剖や、病気の原因を確認するために比較的大きな病院で行われている病理解剖など、制度や内容に幅があるものなので、要求すれば必ず司法解剖のような詳細な解剖をしてもらえるというものではありません。
しかし、病理解剖であっても、何もしないよりは確実に意味があります。
また、解剖まで求めることは抵抗感があったり、病院側が応じてくれなかったりするときは、死後の状況をCT撮影してもらうだけでも、やはり何もしないよりはよいです。ですので、この「死後CT」を求めてみるということも頭に置いておいていただくとよいと思います。
また、患者が死亡した場合に、医療事故を疑うような気持ちがあったときは、病院に対し「医療事故調査制度」を利用することを求めてみてください。
この医療事故調査制度については、別のページで詳しくご説明します。
2 患者が死亡していない場合
患者が死亡していない場合には、解剖や医療事故調査制度を利用することにはなりません。
一番大事なのは、証拠を確保することなので、診療録を入手することになります。
もっとも、医療事故を疑った時点で、まだその病院への入院や通院を続ける予定が残っている場合には、病院側に不審に思われてしまう可能性もあるため、常に早急な診療録の確保を行うことが正しいとは限りません。
転院が実現した場合や、それ以上外来通院するつもりはないと決まった段階では、なるべく早めに診療録を確保することをお勧めします。
なお、診療録などの保全の方法についても、別のページで詳しくご説明します。
まだその病院への入院や通院を続ける予定が残っている場合の対処方法は、ケースバイケースとなることがほとんどだと思われますので、悩まれるようであれば、一度弁護士にご相談してみていただければと思います。
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- 掲載日:
- 2022年10月27日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士