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こんなときどうすればいい?

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第3回目相続問題は、生きている間に対処ができる!

03相続問題に直面したとき

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3. 相続問題に直面したとき

 実際に相続の場面に直面せざるを得なくなってしまったときには、どうしてよいのかわからないという方がほとんどだと思いますので、何も分からないことを不安に思う必要はありません。みなさん同じなのです。
 そういうときにこそ、専門家である弁護士のアドバイスを利用してください。
 ここでは、弁護士に相談に来る前に必要と思われる知識について、ごく簡単に紹介させていただきます。特に、期間制限のある制度については、あらかじめよく知っておいていただきたいところです。

1 葬儀・法要の手続と相続
2 財産は誰のもの?借金は誰のもの?
3 相続に関する重要な手続 〜相続放棄、限定承認〜

1 葬儀・法要の手続と相続

(1)人がなくなった時に、まず思い浮かぶのは葬儀のことだと思います。
 しかし、実は、遺族の中で誰が喪主として葬儀を執り行うか、誰が葬儀費用を負担すべきかということについては、法律は特に何の定めも置いていません。実際上喪主を務める人は、亡くなられた方の配偶者や長男が多いのですが、これは単なる慣習に過ぎません。

(2)では、実際に遺族の誰かが葬儀を行った場合、その費用は誰が負担することになるでしょうか。
 まず、原則として、香典や弔慰金については相続財産に含まれず、これらのお金は葬儀費用に充当されることになります。
 香典や弔慰金では費用が不足する場合には、足りない分を相続財産の中から支出することになりますが、それでも足りない場合には、各相続人が相続分にしたがって費用を負担することになると考えられます。
 ただし、これらは全て、実際に行われた葬儀が『亡くなられた方の社会的・経済的地位から見て分相応のものであった』場合についての考え方です。もし仮に、亡くなられた方に不相応に高価な葬儀が行われた場合には、その不相応な超過部分については、喪主が負担すべきこととなる可能性もあるので注意が必要です。

2 財産は誰のもの?借金は誰のもの?

(1)相続人は、「被相続人の財産に属した一切の権利と義務」を承継します。つまり、相続人が相続する財産には、「権利=プラスの財産」と「義務=マイナスの財産」の両方が含まれます。

(2)プラスの財産については、土地建物などの不動産、自動車や宝石や家財道具などの動産、また現金や預貯金がその代表例です。
 現金や預貯金等、分割が可能な財産については、法定相続分にしたがって自動的に分けられることになります。しかし、不動産や動産については、誰が具体的に何を相続するかは自動的に決まらないので、遺産分割の合意がなされるまでは、相続人全員で共有することになります。

(3)マイナスの財産については、借金、ローンや保証債務がその代表例です。
 そして、これらは原則として全て相続人に引き継がれることとなります。もっとも、マイナスの財産の中でも、身元保証契約上の債務や親族の扶養義務など、債務の性質によっては相続されないものもあります。
 マイナスの財産についても、単なる借金等の金銭債務については、基本的には法定相続分にしたがって自動的に分けられることになります。

3 相続に関する重要な手続 〜相続放棄、限定承認〜

(1)『亡くなった方に多額の借金がある』、又は『プラスの財産とマイナスの財産のどっちが多いのか分からない』
 亡くなられた方に多額の借金等がある場合には、特に何の手続きもしていなければ、前に説明したように自動的に相続人はそれを引き継ぐことになっていまいます。
 そこで、役に立つのが相続放棄や限定承認の手続きです。

(2)相続放棄
 相続放棄とは、「相続開始後に、相続人が『相続しない』という意思を表示すること」をいいます。具体的には、家庭裁判所に対して相続しない旨の申述書を提出することによって行います。
 相続放棄をすると、その相続人は遡って相続人とならなかったものとみなされ、被相続人の財産(プラスもマイナスも)を一切承継しないことになります。ですから、被相続人が生前にいくら借金を作っていたとしても、この手続きをすれば、相続人が借金を相続することは防ぐことができます。
 ただし、この手続きで重要な点は『相続の開始を知った時から3ヶ月』という期間制限がある点です。人が亡くなられた場合、身の回りの整理や葬儀等、直ちに取り掛からなければならないことが多くあるのが通常です。そのような状態においては、3ヶ月という期間はあっという間に過ぎ去ってしまい、気付いたときには手遅れ、ということも考えられます。

(3)限定承認
 限定承認とは、『相続により承継するプラスの財産の範囲内で被相続人のマイナスの債務を負担し、それ以上のマイナスの財産についての責任は負わない』との条件付で、相続を承認することをいいます。
 つまり、プラスの財産がある限りでマイナスの財産も払うけれど、マイナスの方が大きい場合は、相続人はそれ以上自分の財産で払う必要はなくなる、ということです。このような条件を付けて相続を認めるので、被相続人の財産や借金の総額が分からない場合に、この手続きを取るメリットがあります。
 ただし、この手続きにも相続放棄と同じように『相続の開始を知った時から3ヶ月』という期間制限があります。その期間内に、財産目録を作成した上で、限定承認をする旨の申述書を家庭裁判所に提出する必要があります。しかも、相続放棄とは異なり、相続人が複数人いる場合には、その全員が共同で申述書を出さなければなりません。このように、限定承認の手続きにも、大きな時間的制約が存在します。

(4)相続放棄・承認の期間伸長
 以上のように、相続放棄や限定承認の手続には期間制限があります。しかし、場合によっては3カ月以内に調査しきれない、判断しきれないということもあるでしょう。
 そんなときのために、民法では、相続放棄や限定承認の申立期間を延ばすための「期間伸長の申立」という制度を用意しています。家庭裁判所に申し立てて裁判官から許可を得ておけば、相続放棄や限定承認の手続を一定期間延長することができるのです。
 この制度を知っておけば、あわてて3カ月以内に必ず申し立てなければ・・・と思う必要はありません。

(5)以上のように、法は相続人が被相続人の借金等で不当に困ることがないような制度を用意しています。
 しかし、これらの制度を知らない、もしくは知っていても制限期間に間に合わない場合には、相続によって大きな不利益を被ることになります。
 もし自分の近しい親族に借金等がある、もしくはその可能性が疑われる場合には、生前から万が一の場合に備えて色々な対策を立てておく必要があります。

 

次回 04. 相続に関する法律の制度いろいろ

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