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第3回目相続問題は、生きている間に対処ができる!
02自分が亡くなったときのために 〜遺言を中心に
6 こんなこと、対処方法はないですか?
(1)勘当同然の子に相続させたくない
→『相続人の廃除』
通常相続人となる子や妻に、次のような事情があるときは、家庭裁判所への請求を行って、相続人の地位を無くす(=財産を相続させないようにする)ことも可能です。
その事情とは、(1)被相続人に対する虐待(2)被相続人に対する重大な侮辱(3)推定相続人にその他著しい非行があったことです。
この廃除の手続きは、生前に行うことももちろん可能ですが、遺言の中にその意思を記載しておくことも可能です。この場合、遺言者の死後に、遺言執行者が裁判所へ廃除の請求を行うことになります。
(2)介護してもらった子に遺産をあげたい
→自分の身近にいて、献身的な介護をしてくれる子に、通常よりも多く遺産を遺したいと思われる方もいます。
生前に特に何も手続きをしていなければ、前に説明した「法定相続分」に従って、相続する財産の額は機械的に決まってしまいます。
もっとも、子の介護の事実が認められれば、遺産分割の際に「寄与分」として考慮され、より多くの遺産を得ることができる可能性があります。
ただし、この寄与分としてどれくらいの財産が妥当なのか、相続人全員の合意で決まれば良いのですが、合意ができない場合には家庭裁判所への請求によって決めることになり、余計な時間や労力がかかることになります。
そのような事態を避けるためにも、自分が遺産を多く渡したいと思われる相手がある場合には、しっかりと遺言を作成しておくことが必要です。
もっとも、全ての財産を子一人にあげるという内容の遺言を作成してしまうと、前に説明した「遺留分」を侵害することになるので、その点もしっかりと考慮した上で遺言の内容を決めなければなりません。
- 掲載日:
- 2022年10月4日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士