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- 02 事故後から示談まで—被害者編— 保険会社からの示談金の提示
第1回目交通事故に遭ったらどうするの?
02事故後から示談まで
—被害者編—
人身事故について
その他
5. 保険会社からの示談金の提示
ケガが完治した場合、あるいは後遺症に対する認定結果が出た場合、相手方の保険会社から、書面で示談金の提示があるのが通常です。
ほとんどの場合、治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料など、各項目毎に損害額が算定され、最後にその合計額が記載されています。
途中で治療費の支払いが打ち切られた場合は別ですが、そうでない場合は、治療費や通院交通費等の実費額が問題になることはあまり多くないと思います。
ですが、その他の損害については、十分な金額が提示されているでしょうか?
交通事故被害者のほとんどは、相手の保険会社の提示してきた金額は、これ以上変えようのない金額なのだろうと考えてしまうようです。
しかし、実際には、裁判基準に比べて慰謝料がかなり低額であったり、休業補償の支払期間や単価が不当に低く計算されていたり、逸失利益(後遺症で体が不自由になったことにより失ってしまった労働能力に対する補償)の計算方法に問題がある保険会社の示談提示をよく目にします。
特に、慰謝料は、ほぼ全ての事案で、裁判基準より相当程度低い金額が提示されているのが実情です。
保険会社側からの理屈としては、裁判にまで至っているわけではないということや、早期にまとまった保険金を支払うのだからという理由で、裁判基準より低額の提示でも不当なものではないという説明になると思います。
確かに、この説明も、間違いではありません。
しかし、「早期解決のための提示額」であることをきちんと伝えなければ、保険会社の提示額は、被害者に対し、これ以上は1円も増額してもらえないという誤解を与えているかもしれないわけです。
保険会社の提示額は、基本的に、自賠責保険の基準と同じ程度の金額か、あるいは保険会社独自の基準によって計算されて提示されますが、その金額は通常は裁判基準より低額です。裁判になれば、時間や労力はかかるかもしれませんが、時間がかかってもよいから金額を増やしたいと思う人は、裁判を起こすことによって増額できる可能性は意外と高いのです。
特に、後遺症が残り、後遺障害として認定を受けたケースでは、賠償金の額が高額になることが多いため、保険会社の提示額と裁判基準の金額との差が大きくなる可能性は高くなります。後遺障害の程度が重ければ重いほど、その可能性はさらに高くなるので、後遺障害の認定を受けたケース、特に後遺障害の程度が重いケースの場合には、提示された金額をそのまま受け入れてしまうと、実は大きな損をしていたということになりかねません。
実際に裁判まで起こさなくても、弁護士に依頼して交渉したり、示談あっせんをしてくれる第三者機関を使ったりすることで、当初の保険会社の提示額を増額させることができる場合は、意外に多いものです。
ですので、保険会社から示談金の提示があった場合には、必ず一度は弁護士に相談していただきたいです。
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加害者が任意保険に加入していなかった場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか?また、ひき逃げをされたりしてそもそも加害者がわからない場合は、治療費などを全て自費で負担するしかないのでしょうか?
加害者が任意保険に加入していない場合でも、加害者自身の損害賠償責任がなくなるわけではありません。
しかし、実際のところ、任意保険に入っていない加害者本人から賠償金を得ることは難しいでしょう。
もちろん、加害者本人に十分な資力があれば賠償させることは可能ですが、そもそも資力がある方であれば任意保険に加入していますので、あまり期待できません。
しかし、このような場合でも、別の方法でカバーすることができます。
自分が契約している保険を利用する方法や、自賠責保険を利用する方法、もし自賠責保険も使えない場合には政府保障事業を利用することも考えられます。健康保険や労災保険を利用することができる場合もあります。
もっとも、どの方法が使えるのかどうか、使えるとしてもどの方法が最も良いかはそれぞれの事故によって異なりますので、なるべく早めに弁護士に相談することをお勧めします。
- 掲載日:
- 2022年10月4日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士