解雇されたあと,解雇されたのだから会社に行ってはいけないんだと思って一度も出勤しようとしたことがありません。相談するまでに大分時間がたってしまいましたが,私は解雇といわれている間の給料をもらえないのでしょうか?
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第6回目解雇されたらどうするの?
02解雇言渡しから解決まで
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1. 一度は出勤しておく
解雇を言渡されることはかなり精神的な衝撃が大きいものです。しかし,最終的な解決を考えると,解雇を言渡された翌日に会社に行き自分がまだ働くつもりがあることをアピールしておくべきといえます。
もちろん,会社側としてはすでに解雇していることから,就業を拒否することがほとんどと考えられます。実際に会社から就業を拒否された場合には,何もせずに帰ってくることになります。
出勤することによって,会社が解雇を撤回することはほぼ期待できません。しかし,後々,不当な解雇を受けて働くことができなかった期間の給与を請求する際には,労働者に働くつもりがあったことが重要となることがあります。したがって,一旦は会社に働く意思を示すことをお薦めします。
出勤するという行動を取らなかったからといって,当然に労働者が働くつもりがなかったと認定されるわけではありません。
しかし,労働者が働くつもりがあったことを確実に認めてもらうためには,一度出勤して会社に拒否されたという事実が大きな意味を持ちます。つまり,一度出勤して拒否されておく,というのは最終的な解決を見通した際の安全策なのです。
したがって,解雇言渡後,出勤していないからといって会社への請求をあきらめる必要はまったくありません。詳しくは,弁護士にご相談ください。
2. 裁判外での交渉
会社の行った解雇が不当であると考える場合には,まず,その旨を会社に伝え,解雇を撤回することを直接的な交渉で求めていくことが通常です。
もちろん,はじめから裁判所を関与させた手続きを行うこともありますが,裁判所を関与させた各手続きにおいて必要な申立て等を行うことは簡単ではありません。
したがって,まずは裁判所外での解決を探ることになります。
裁判外での交渉としては,相手との直接的な対話や,内容証明郵便による請求などいくつかの手段があります。
交渉を行うにあたって,どの手段が最適かは事案によって異なります。
なぜ不当であるのかを伝えることも含めてしっかりと検討した上で,相手との対話に臨む必要があります。
実際に会社との交渉を行う段階に至った場合,これらの状況を整理して主張をきちんと伝える必要があります。
交渉の状況は,その後の裁判にも影響してきますので,弁護士に交渉を任せることも含めてよくご相談されることをお薦めします。
解雇が無効だと思って,会社と色々話をしてみましたが,適当にあしらわれてしまいます。どうすればよいでしょうか?
裁判外での交渉については,会社側に交渉をすべき義務があるわけではありません。したがって,まともに取り合ってくれない会社も少なくないと思われます。
しかし,交渉段階で弁護士が入れば,無視まではされないことが多いと思われます。会社の対応によっては,弁護士へのご依頼,または,裁判所を通じた手続きへの移行をご検討ください。
3. 裁判手続きについて
裁判外での交渉も不調に終わり,実際に裁判所が関与する手続きに移行せざるを得ないことも少なくありません。
この時に取りうる手続きとしては,裁判所に対する訴訟提起の他に,労働審判という手続きによることもできます。
それぞれの手続きに特徴があり,そのメリット・デメリットも様々です。
どの手続きを選択するのか,そして,その手続き内でどのような主張を展開するかについては,個別の事案毎の様々な要素によって変化するものであり,その判断は簡単ではありません。
裁判所を通じた手続きを実施せざるを得ない状況になった場合には,弁護士に依頼をし,専門家の助力を得ることを是非お薦めします。
4. 失業中の生活
会社から解雇を言渡されてしまった場合には,その解雇の有効性はともあれ,会社で働いて給料をもらうことができなくなります。
しかし,何からの方法で金銭を得なければ,生活していくことはできません。
そこで,会社に解雇を言渡された際には,とりあえず失業保険を受け取って,生活を維持するという方が多いかと思います。失業保険を受給するためにも,会社からの離職票等の書面はきちんと出してもらう必要があります。
また,会社の業務に従事することを拒否されている以上,その間は他の会社などで働くこともできます。休業中にアルバイト等をすることは,会社からの未払い給与の支払いの際には考慮されますが,これによって懲戒などがされることはありません。
解雇を言渡されてから生活のためにアルバイトをしていました。そうしたら,会社が,アルバイトして稼いでいるのだから,給料は支払わないと言い出しました。
会社が解雇したから仕方なくアルバイトをしたのに,そのせいで給料がもらえなくなってしまうのでしょうか?
解雇言渡しによって会社で働けない状況になっている間に,他の事業所で働いた場合,他の事業所で得た給料については,一定額につき未払給与から控除されます。これは,他の事業所で働くことによって給与を得られたのは,会社で働くことができない状況であったためであり,会社で働いていれば,その給与を得ることはできないはずであったからです。もっとも,控除の対象となる金額は,未払給与のうち,一定割合に限定されていますので,他の事業所で働いたからといって,未払給与の支払いを一切受けられなくなることはありません。
この点の詳細については,様々な要素が絡み合って最終的な支払い額が決定されます。詳細については,弁護士にご相談ください。
会社から解雇中の給与を早めにもらうことはできないの?
会社が解雇を主張しており,裁判等でその無効が確定していない場合,会社に給与の支払いを強制する方法はありません。
もっとも,交渉段階から,解雇理由がないことを会社が理解しており,細かい条件のみの争いになっている場合などであれば,生活のために内金の支払いを求めた際に,会社が自発的に給与の支払いを行うこともないわけではありません。
ただ,実際に,内金の支払いがなされるかどうかについては,会社の判断に委ねられることになります。
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- 掲載日:
- 2022年10月4日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士