余暇について
余暇とは「仕事から解放されて自由に使える時間」をいう。司法試験に受かる前は余暇ばかりだったのだが,一旦仕事に就くと意識的に時間を作らなければ余暇はない。意識的に何かするというのは私の性分に合わないので,結局余暇はないことになる。せいぜい行き帰りの電車,地下鉄のなかで本を読むくらい。
このようなことで長らく過ごしているので,インターネットなどで本を買いあさって一定のジャンルをある程度読みこなしてしまうと,もう読み物がなくなってしまう。中国現代小説,アイルランド,藤沢周平,井上ひさし,戦後責任関係特に日中戦争史,炭砿関連などなど。
ところが,イタリア→美術館→西洋絵画→聖書・ギリシア神話となると,奥が深い。限界はない。ここ2年位は,絵も描けないのに,この手の本を読みあさっている。ウェブで絵画を見ることのできるサイトがあるので,このサイトもよく見る。本やネットで絵を見るだけではつまらない。その絵が置いてある美術館,街に行ってみたいと思うのも人の常である。それで,美術館や各都市のサイトを見ることになる。その街の名物があれば作りはしないがレシピなども見る。あるいは,地図などを眺めたりすることもある。ということは,私の余暇は,本を読んで,インターネットを眺めて,行った気になっているということのようだ。あまりにもわびしいのではないだろうか。
同業者にも,ゴルフ,野球,サッカー,渓流釣り,鹿撃ちなどに命をかけている人もいる。せめてもう一度くらいは,イタリアに行ってもいいのではないだろうかという気がする新年である。